2013年12月17日

千本県営林自然情報6(ハゼノキの紅葉)

千本県営林ではいまハゼノキの紅葉が見頃を迎えています。
特に小諏訪から大塚にかけての県道沿いやジョギングコース沿いで多く見られます。

色づきの度合いはいろいろで、鮮やかな紅色から橙色、黄色と変化に富んでいます。
透き通った冬の青空を背景にして見るハゼノキの紅葉はとても美しく、もみじの紅葉に遜色ないと思います。

12.2今沢ハゼノキ紅葉2.jpg

12.2今沢・ハゼノキ紅葉1.jpg

12.2大諏訪・ハゼノキ1.jpg

色の度合いの違いは一般的には一日の最高気温と最低気温の差(日較差)が
大きいほど鮮やかになると言われています。

千本県営林では松や他の広葉樹との競合の関係で日当たりに違いがあることから、
ハゼノキの紅葉は立地環境による日照条件の違いが色づきの程度に影響しているものと想像できますが、

現地で見てみると、私には必ずしもそうとばかりは言えないように思えます。
やはり、同じハゼノキでも紅葉の度合には個体差が大きく関与しているのではないかと思います。

ところで、千本松原は平成23年9月の台風と翌平成24年6月の2度の台風で大きなダメージを受けました。
ハゼノキもその例外ではなく、風倒被害に加えほとんどの個体が潮風による先端枯れを生じており、

ひどいものでは樹高の1/3から1/2まで枯れ上がったものさえあります。
台風被害から2年が経過しましたがその回復はまだまだで、

新しい枝が枯枝を覆い隠すまでにはもう数年を要するものと思われます。
そうなれば千本県営林のハゼノキの紅葉はもっともっと素晴らしいものになると期待されます。

ハゼノキは関東以西の本州、四国、九州、琉球、小笠原から台湾、中国大陸南部、
ヒマラヤ、タイ、シンドシナなど東南アジアの熱帯、亜熱帯に分布します。

果皮に脂肪分を含みこれからハゼ蝋を作ったといいます。
このためか文献により日本のハゼノキは自生ではないとするものもあり、

「関東地方以西の暖地に野生化した株がみられる。日本への最初の渡来が
琉球(沖縄県)であったため、リュウキュウハゼとも呼ばれる。」などの記述もみられます。

ハゼノキは子供のころからあまりにも身近に普通に見てきた植物であることから、
外来種といわれても私には俄かに肯首しがたい気持ちがあります。

ハゼノキは沿岸沿いの林内に生え内陸になるにしたがって少なくなります。
内陸の山地にはヤマハゼやヤマウルシ、ツタウルシなどがありいずれも美しく紅葉します。

海岸性のハゼノキはこれらと比べると葉に毛が全くなくつるつるしているので
これらを見分けるには、目で見て形を比べるよりも、

目を閉じて指で葉を触って比べた方がより確実に区別することができます。
ハゼノキはウルシの仲間なので人によってはかぶれます。

しかし、ツタウルシやヤマウルシ、ヤマハゼほどかぶれの力は強くありません。
私はヤマウルシやヤマハゼはもとよりハゼノキの葉に触るくらいでは全くかぶれることはありませんでしたが、

上述した台風被害木の整理をしているときはひどくかぶれました。
いずれの時期も熱かったため、腕に汗をかいたところへ切り口から出る樹液を付けたことが原因でした。

その後、気を付けてはいてもハゼノキの片づけ仕事では
どうしても樹液に触ることがあり何度かかぶれました。

千本県営林にはもうひとつ紅葉する植物があります。
ツタです
松の木の幹に絡みつきハゼノキとはまた違った趣で初冬の林内を彩っています。

12.2今沢・ツタ紅葉1.jpg
posted by あしたかりん at 09:19| Comment(1) | TrackBack(0) | 愛鷹山森林組合より | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月11日

千本県営林自然情報5(ツワブキが満開です)

冬の足音が次第に近づいてくる今日この頃、
千本県営林の松林ではツワブキが満開となっています。
11.11西浜町:ツワブキ 006.jpg

和名は葉がフキに似て光沢があるためで、ツヤブキが訛ったものと言われています。
太平洋側では福島県以南、日本海側では石川県以西の海岸の崖など

気象条件の厳しい場所に生育しますが、沿海地の林内などにも生育します。
国外では朝鮮半島南部、台湾及び中国地有部にかけて分布しています。
11.11西浜町:ツワブキ 007.jpg

若い茎はフキと同様食用になり、
私は昔四国高知の海岸林でフキ採りをしている人に会ったことがあります。

静岡県ではフキほど一般的な山菜ではありませんが、
今年千本県営林の中でフキ採りをしている人を見かけました。

なんでも三十数年前、西伊豆方面から苗をもってきて松林内に植えたと言っていました。
それはともあれ、ツワブキは千本県営林のあちこちで見ることができますが、

とりわけ群落として見ごたえのあるのは東間門から西浜町、小諏訪にかけての松林です。
花を見ながらジョギングコースを歩いていると、ほのかに漂う花の香りに包まれます。
11.11西浜町:ツワブキ 003.jpg

この地域は一年で今が最も華やかな季節と言えるのではないでしょうか。
是非一度お訪ねになることをお勧めします。

posted by あしたかりん at 10:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 愛鷹山森林組合より | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月02日

千本県営林自然情報4(ノガリヤス)

千本県営林の中でまだ草刈りが行われていない松長のジョギングコース沿いでは
ススキに交じってノガリヤスがたくさん見られます。

10.25松長・ノガリヤス1.jpg
右側の穂をつけた背の高い草がススキ、その左側の白い泡のような穂をつけた草がノガリヤス。
もう少し近づいてみると

10.25松長・ノガリヤス2.jpg
こんなふうに見えます。
さらに近くで近づいてみた写真が下です。

10.25松長・ノガリヤス3.jpg

ジョギングコースを歩いてみると、林床にはススキよりもノガリヤスの方が多いことに気が付きます。
ノガリヤスはイネ科ノガリヤス属の植物で、ユーラシア大陸に広く分布し、

日本では北海道南部から九州までほぼ全域に生育しています。
和名は「野刈安」、ススキに比べて刈り易いことに由来するものと推察されます。

また、サイトウガヤという別名がありますが、
これは比叡山延暦寺の西塔近くで見つけられたことに由来するということです。

ノガリヤス属は世界に約270種、日本には18種もあるそうです。
高山や海岸絶壁の風衝岩場など気候条件の厳しい場所に生育しますが、

我々の生活圏である平地ではノガリヤスが、
また、少し高い山ではちょっと小振りのヒメノガ゜リヤスが普通に見られます。

posted by あしたかりん at 07:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 愛鷹山森林組合より | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。